1.ヌーボ誕生 |
「ヌーボ」が誕生したのは1994年頃の事。記憶は曖昧。 それは、それまでに自分が「描きたい」という構想があった訳では微塵も無く、まったくの偶然から生まれた物語だった。 画力を上げたいという友人(女性)へ、なんだかんだで漫画の原作を上げる事になり、3時間でネームを描いた。 テーマはファンタジーで、女性に上げるという事もあり、自分では描かないであろうメルヒェンな話を作った。 ■■■ 発明家の猫が、不思議な紅茶を女の子にご馳走をして上げる。 何とそれは虹の光で作られた紅茶なのだった。 ■■■ 見て分かるかもしれないが、キャラクターのイメージは「不思議の国のアリス」である。 メルヘンっていったらコレでしょ、と。 ヌーボの名前はフランスの芸術革命時代アール・ヌーヴォーから。 ジャネットの名前はこの頃自分が興味を持っていた英雄ジャンヌ・ダルクから。 しかし結局なんだかんだで、それは日の目を見ないままに、お蔵入りに。 処分するのは惜しいとはいえ、こんなメルヒェンな漫画を自作としてペンに起こすのは恥ずかしい。 もったいない気持ちでネームを数年保管しておいたが、ある時に逡巡しながら処分決行。 こうして一旦世に生まれたはずの「虹色紅茶の午後」は記憶の片隅に残るだけとなった。 (裏話その2へ続く) |