2.ヌーボ初連載
2002年。

お絵描き掲示板なるものに、2年ほどハマっていた当時、そろそろとアナログでの漫画活動の方向に目を向けていた。
しかし漫画に関しての知識・技術がたいへん乏しかったので、勉強しなければいけない。
同人即売会に出かけたり、部屋でこつこつネームを描いたりもできるのだが、折角ネットをしているのでネット上での漫画コミュニティのサイトなぞを探す気になった。

YAHOO検索で、漫画家を目指しているアマチュアの人たちが集まっているサイトを早速見つけた。
中々コンテンツも充実していて、1日で全て見て廻るのには大変な労力がいるが、ここに自分が参加し易い掲示板があった。

そう、(運命の)お絵描き掲示板である。
お絵描き掲示板にはそれまでもずっとハマっていたので、これにすんなりと参加する事ができた。

そして ある時期、お絵描き掲示板で一枚のイラストを描くのではなく、コマを割って絵を入れていくという“漫画風イラスト”が小さく流行った。
しかも短く連載までする人まで現れて、漫画祭り状態。
これは面白そう!
さすが漫画家を目指す人たちの集まるお絵描き掲示板。
自分もやるぞ!と思い、しかし今アナログで描き進めている漫画を絵板で披露するのはどうかと思い、全く新しい構想の漫画を描こうと思い至る。

そこで、何年も頭の片隅に置いていて埃を被っていた、「虹色紅茶の午後」を引っ張り出す事にした。

このメルヘンな漫画は、俺の元々のスタイルじゃないので、アナログで描き起こす事はまず無いだろうと思ったし、なによりお絵描き掲示板のフルカラーなら、まさにメルヘンにはぴったりだと思ったのだ。
そう思い立つと、自分の頭の中では新たなエピソードを加えた虹色紅茶の物語が練られた。

掲示板に初投稿
今考えると自分でも信じられない事だが、半日も経たずして1話〜最終話までの話を思いついた。
イケル!?

ついにお絵描き掲示板にて連作投稿を開始!!

虹色紅茶の午後」の生原稿は処分したけど、その内容は10年経ったその時でも、頭に確りと残っていた。

それまでに、単発のパロディ漫画は描いた事はあっても、オリジナルで、しかもストーリー漫画などは何一つも描いた事の無い自分が、躊躇無く連載を敢行したのが今でも信じられない。
お絵描き掲示板というお気軽さのお陰だろう。

しかし…

周りの常連も、自分と同じようにお気楽に漫画連載を始めたのだと思うけど、はっきり言って本格的に連載しているのは俺だけだった。

当たり前といえば当たり前。

オリジナル漫画のネタを「気持ちを込めて」「お気軽に」投稿するなどという事は、ちょっとバランス的には難しい。
ここで本気を出すくらいなら、漫画家志望達はペンで起こすというものだ。

では何故俺は一人、お絵描き掲示板で連載を3話まで続けられたのか?

それは俺が周りの空気を読めない馬鹿だったからだ。
3話目まで描いた。
たぶん他の常連さん達は一頁一頁は描いたと思うが、完結という意味での一話は描かなかったと思う。
そこは漫画を投稿する場所(専用掲示板)じゃないし、皆は描いていたのは“漫画風”だったからだ。

始めは色々と常連からもコメントが貰えたけど、次第に古参の常連からは全くコメントが貰えなくなっていった。

もちろん、毎回コメントを貰えるとは思ってはいないが、それがもうすっかり貰えなくなった。
さすがの俺も、何となくヒンシュクを買っているんじゃないか?というような気持ちになり、居た堪れなくなり連載を断念した。

誤解の無いように説明しておくけど、常連のコメントが無くて寂しいから断念したのではない。
自分が周りの空気を読まず、イラスト投稿掲示板を荒らしているような悪い気がしたからだ。

訳の分からないやる気はとてもあった。自分でも信じられないくらいに。

そして、この断念した時期からは、次第にそのサイトにも通い辛くなり…(自分の気持ちの問題ね)


ここから1年半後のPoo連載へと繋がる。

裏話3へ続く